すべての「いのち」のために

日本SRGM連盟代表・日本アニマルライツ連盟理事・日本優生思想研究所研究員の日野智貴のブログです。いのちに線引きする「優生思想」に断固反対!(記事内容は所属団体の公式見解とは無関係の個人的見解です)

「九分類型政治思想マトリクス」を作ってみた

 世間では「政治思想」というものがありまして、だいたいみんなそれを「2×2」の「四分類」に纏めるのですが、そうするとどうしても当てはまらない例外が増えます。(当たり前です、人間を四分類するのは血液型だけで占いをするぐらい無謀な話です。)

 そこで私は「3×3」の「九分類」をしてみました。

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 縦軸は世間一般でいう右と左です。

 政治に関心がないという人の思想は、だいたい縦軸の真ん中のどれかになります。

 横軸は、簡単に言うと右側は世間から「難しいことを言ってるなぁ」と言われている人たちで、左側は世間から「言いたいことはわかるけどそれはちょっと」と言われている人達です。

 だいたいマスコミが「マトモな意見」として取り上げるのは、横軸の真ん中の人たちの意見です。(テレビに出て来る評論家はほとんどがそうです。)

 ところでグローバリストは「現実は理想通りにはいかない」派で、新左翼は「現実を無視して理想を追求する」派ですが、どちらも現実と理想を対極に考えていることは共通しています。

 科学万能主義と言うのは「政治に興味がなく倫理感皆無のマッドサイエンティスト」が典型ですが、少なくとも我々の思っている意味での理想社会は脳内にない人達と考えて良いでしょう。

 動物性集合胚の研究とかを大真面目にしている人達です。これについては私はかなり前から問題点を指摘していますが、「科学万能主義」の人の耳には届きません。

 この図の便利なところは縦・横・斜めを問わず「一つ隣」であれば手を組めるのに、そうでなければ手を組めないのが明白だからです。

 例えばいわゆる「右派」でも「グローバリスト」と「家族国家共同体」とは相容れない立場です。しかし「グローバリスト」と「反共保守」、「家族国家共同体」と「反共保守」ならば手を組めます。

 自民党の主流派は経団連ですが、冷戦の頃までは経団連は「反共保守」の立場でした。それが今では「グローバリスト」に転身してしまいました。

 生長の家は尊皇愛国とエコロジーの二本は一貫しています。なので政治思想的には「家族国家共同体」になります。

 一方、「科学万能主義」の典型が医療利権複合体です。「家族国家共同体」と「科学万能主義」とは相容れません。

 冷戦の頃から生長の家と医療利権複合体は対立関係にありましたが、生長の家は医療利権複合体への抗議を込めて政治活動を停止したものの、自民党(=経団連)への不支持は表明しませんでした。

 ところが、経団連が「反共保守」から「グローバリスト」へと変身するに従い、生長の家エコロジーの観点から資本主義社会への批判を強めます。そして遂に一昨年の自民党不支持声明へと繋がる訳です。

 一方の「科学万能主義」の医療利権複合体は「グローバリスト」と一緒に仲良く自民党を支持しています。

 なお、日本会議の本部事務局である日本協議会は元々「家族国家共同体」を理想としていましたが、「現実的に考えよう」ということで「反共保守」になり、結果「グローバリスト」の経団連と一緒に安倍政権を支えることになってしまいました。

 「左派」でも同様です。「新左翼」と「日共系左翼」はとても仲が悪いことで有名です。

 一方、「戦後リベラル」の代表が冷戦の頃は社会党、今は立憲民主党です。(社民党もですが。)

 かつて「新左翼」の人が社会党に入党することがありましたが、今でも彼らは社民党立憲民主党の人と共闘しています。

 また日本共産党社民党立憲民主党の中も良好です。

 「保守本流」は「吉田茂――田中角栄――小沢一郎」のラインです。

 彼らは別に共産主義者ではありませんから「反共保守」の(昔の)自民党主流派とは手を組めました。しかし、別に特に強い反共のイデオロギーがあるわけではなく、場合によっては共産党とも手を組みます。(今の自由党がそうですね。)

 ただ、彼らが共産党と組む際に唯一譲れない一線が「立憲君主制の護持」です。だから小沢一郎自由党代表は共産党と共闘する際、共産党に「天皇陛下が臨席する国会の開会席にも出席するように」という条件を共産党に呑ませたわけです。

 圧倒的多数の国民は「構造改革派」に洗脳されています。つまり、「構造改革派」とはマスコミのことで、彼らに多くの国民は「自由民主主義とはなんとなく良いものである」と刷り込まれているわけです。

 そして、肝心なことですがマスコミは他のどの立場の人間とも「徹底的な思想対立」はしません。せいぜい「現実的ではないですね~」「ちょっと行き過ぎじゃないですか?」という程度です。

 何故なら彼らにそもそも思想はないので、思想対立のしようがないからです。マスコミが政治家を叩くときはたいてい思想ではなくスキャンダルを理由にしています。

 さて、この構図をヴィーガンにも当て嵌めてみました。

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 右派ヴィーガンはスピリチュアルやオーガニックと親和性の高いヴィーガンです。

 「エコロジー」や「自然の摂理」も主張するので「家族国家共同体」とは「=」ではありませんが、「≒」となっています。

 逆に左派ヴィーガンはオーガニックを否定します。遺伝子組み換え食品が安全だという人もいます。(本当です。)

 彼らの多くはアンチナタリズム(反出生主義)を言っているため、「スピリチュアル」や「自然の摂理」との親和性は低いですし、中には積極的に「エコロジー」を否定している人までいます。

 科学万能主義とは「=」と言っても差し支えありません。

 ただ、念の為に言っておくとアンチナタリズムのヴィーガンの全てが科学万能主義である、という訳ではありません。「構造改革派」「保守本流」「日共系左翼」のいずれかであってもアンチナタリズムになることはあり得ます。

 また、ヴィーガンの中で「新左翼」「戦後リベラル」「グローバリスト」「反共保守」に当てはまる方は、基本的にいません。(一部に例外はあるでしょうが。)

 逆にアンチ・ヴィーガンのほとんどは「新左翼」「戦後リベラル」「グローバリスト」「反共保守」のいずれかに当てはまります。

 「新左翼」「戦後リベラル」の人達は「右派ヴィーガン」がヴィーガンのイメージなので「ヴィーガンは宗教だ!」と言います。(左派ヴィーガンは視界に入っていないようです。)

 「グローバリスト」「反共保守」の人達は「左派ヴィーガン」がヴィーガンのイメージなので「ヴィーガンは左翼だ!」と言います。(右派ヴィーガンは視界に入っていないようです。)

 「構造改革派」は「動物福祉」を訴える人と、「保守本流」は「ゆるベジ」の人と親和性が高いと言えます。

 ここまで判るように、私が推奨しているライフスタイルは右派ヴィーガンの方となります。(押し付けはしませんが。)