2016-02-10 憲法論Q&A ~安倍政権の矛盾を直視せよ!~ Q 安倍さんは集団的自衛権行使を認めて、日本を守ろうとしている、素晴らしいじゃないですか!安保法制成立は憲法改正の第一歩として歓迎すべきじゃないのですか? 日野 いや、憲法無視と憲法改正は違いますよ?そもそも、『日本国憲法』下で日本を守ることができるのであれば、憲法を改正する必要はないじゃないですか! Q 何を言っているんですか!『日本国憲法』では軍隊が持てないから、憲法をさっさと改正しないと! 日野 いや、『日本国憲法』下で現に自衛隊があるじゃないですか。そのうえ、集団的自衛権も行使できるのであれば、憲法改正の必要がなくなりますよ? Q いや、憲法改正をする時間がないから、集団的自衛権を認めたわけであって・・・・。 日野 それは、違いますよ?現に、「戦争参加法制」強行採決を主導した岸田文雄外務大臣は、派閥の会合で「憲法9条改正反対」を明言しています。ようするに、「憲法9条の下で、現に自衛隊も持てるし、集団的自衛権も行使できるじゃないか!だから、憲法改正の必要なんかないんだ!」と、「戦争参加法制」を作った人自身が主張しているのです。 Q ええ!?だけど、占領憲法は日本の国体に反するのですよ?? 日野 そもそも、占領憲法と日本の国体は、両立しません。占領憲法が憲法典として有効であるとすると、2600年の皇国の国体は、占領憲法成立と同時にほろんだことになります。それが、今の憲法学界の定説である八月革命説です。 Q そうだったんですか??『日本国憲法』は『大日本帝国憲法』の改正によって成立した、と学校で習いましたよ??「革命」なんか、どこにも書いていませんよ? 日野 高校までの教科書には、そう書いてありますね。もっとも、高校の教科書にもよく読むと「日本国憲法は大日本帝国憲法の改正という”形をとって”成立した」と書いてあるはずです。図書館に言って憲法学者の書いた解説書を読むと、どれを読んでも「『日本国憲法』は革命憲法である」と書いてあります。 Q そうだとすると、この国の国体はもう滅んでいるというんですか? 日野 いや、「『日本国憲法』が憲法典として有効である」という事実を認めるから、国体が滅びるんです。『大日本帝国憲法』は現存しており、『日本国憲法』は憲法典ではなく、講和条約であると認識すればよいのです。 Q 話は戻りますが、憲法9条は改正すべきだと思いますか? 日野 『日本国憲法』は講和条約です。そのあと、『サンフランシスコ平和条約』という別の講和条約が締結され、日本は自衛権を回復しました。だから、もう既に占領憲法第9条は実質的に改正されているのです。 Q え?それじゃあ、安倍首相も解釈改憲なんかせずに、堂々と集団的自衛権を行使すればよかった、ということですか? 日野 そうですよ?まあ、アメリカの侵略戦争への参加は自衛権の発動の対象外ですから、そもそも「戦争参加法制」は国際法にも違反するのですけどね。 Q ちょっと待ってください、安保法制は日本を守るための法律ではなかったのですか?? 日野 安倍政権が日本を守りたいのであれば、野党が提出した『領域警備法案』に賛成していたはずですね。それをわずか一時間の審議で廃案にしたのは、ほかならぬ、自民党です。 Q それじゃあ、安倍首相は何のために安保法制を採決したのですか? 日野 だから、アメリカの侵略戦争に参加するためですよ。安倍さんはアメリカの言いなりだから、日本の国体を守ることはできないんです。『大日本帝国憲法』の現存を宣言したらアメリカに潰されるから、『日本国憲法』の解釈改憲という姑息な手段を使って苦しい言い訳をしているんですよ。 Q それって、中国やソ連を利するために「自衛隊は違憲だ!」と言っていた左翼と一緒じゃないかですか!! 日野 そうですよ?だから、私たちは自民党政権に反対しているのです。