すべての「いのち」のために

日本SRGM連盟代表・日本アニマルライツ連盟理事・日本優生思想研究所研究員の日野智貴のブログです。いのちに線引きする「優生思想」に断固反対!(記事内容は所属団体の公式見解とは無関係の個人的見解です)

台湾に学ぶ自由民主主義の欠陥


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 かつて「台北政府」で『両岸サービス協定』と言う協定が議題に上りました。

 この協定は簡単に言うと「台湾の労働者の多くが失業し、政治的には中国の経済圏に組み込まれる」というトンデモナイ協定です。

 日本で言うと「アメリカ人が自由に日本国内で金儲けできる一方で、日本人の労働者は大量に失業する」というような怖ろしい条約が締結されるようなもの、と考えてください。TPPと同じぐらいか、それ以上の反発があったわけです。

 しかし、「台北政府」の民主的に選出された「立法委員」はこの協定を阻止することは出来ませんでした。むしろ、過半数の立法委員は「賛成」だったのです。

 日本だとそこで話は終わってしまいます。「自由民主主義」の国であれば「民主的に選ばれた政治家の多数決」こそが「正しい」ということになるのです。

 事実、TPPについても国民の多くが内容を知らないまま通ってしまいました。

 ところが、台湾では違いました。

 多くの学生や労働者が立ち上がって「台北政府」の立法院を占拠しました。野党の政治家もそれを応援しました。さらには、与党にもこうした学生たちと真摯に交渉してくれる人がいました。マスコミも応援しました。

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 日本での似たよう運動には安保闘争がありますが、これとて学生や労働者が反対運動(一部では暴動)を起こしましたが国会が占拠されたわけではありません。国会議事堂に突入した人達には野党ですら批判的でした。しまいには「議会制民主主義を守れ」という「七社共同声明」をマスコミが出し、それに多くの国民が納得しました。

 日本本土国民と台湾同胞の違いは何でしょうか?

 それは「自由民主主義」への理解にあると思います。

 日本本土国民は自由民主主義が正しい、という学校教育の成果をマトモに信じて育っています。だから「国会占拠はダメ、絶対」です。

 しかし、台湾同胞は「デモクラシー」は「デモクラシズム」ではない、という事を知っています。民主主義は教条主義的に守るイデオロギーではなく、国民の意思を反映して国家をより良くするための制度(=手段)に過ぎない、と知っているのです。


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 その背景には台湾同胞が白色テロによって中国国民党に迫害されてきた歴史もあるでしょう。日本でも沖縄同胞は本土国民ほどには自由民主主義を信じていないと思います。(その結果、共産主義勢力が強くなっているのは哀しいですが。)

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 今でもナチス紛いの旗を振って中国国民党を支持する人達がいるのが台湾です。台湾同胞にとっては白色テロの歴史は決して過去のものではないのです。

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 自由民主主義では中国の侵略を阻止できない、労働者の生活も守れない、だからこそ民衆が実力を行使してでも阻止する――この気概を、日本人が持たないのは大きな問題です。

 日本だって似たような状態ではないですか?

 経団連は日本の国益よりもグローバリストの国益を考えて行動しています。アメリカの侵略戦争にも中国の覇権主義にも経団連は反対しないどころか、米中の市場での利益拡大ばかりを狙っています。

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 そんな経団連が力を持ち、労働者の権利はどんどん剥奪されているのが、「自由民主主義」を信じている日本の現状です。

 これだから日本民族はバカなのです。台湾同胞を少しは見習わなければなりません。


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