すべての「いのち」のために

日本SRGM連盟代表・日本アニマルライツ連盟理事・日本優生思想研究所研究員の日野智貴のブログです。いのちに線引きする「優生思想」に断固反対!(記事内容は所属団体の公式見解とは無関係の個人的見解です)

ヴィーガニズムという希望――谷口雅春先生の予言と気候変動や食糧危機の解決への道


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「地上の人類全部が肉食をやめるようになれば世界に目ぼしい戦争はほとんどなくなるであろうと思います。しかし残念なことには日本の政府は肉食推奨論者であって、国費をつかって海外から牛肉などまで輸入していて、そして「平和」を叫ぶのだから、平和の叫びが空回りしてしまうのであります。動物を殺しまたは殺させて食べることと、平和を悦ぶ心とは黒白相容れない種類のものであるのであります。アメリカ人がもし肉食をしていなかったら、日本にトルーマンは原爆を落とさなかったであろうし、ヴェトナムのあのような戦争は起さなかったのではないでしょうか。」谷口雅春先生『心と食物と人相と』p.54)

 これは冷戦の頃に記された光明思想家・谷口雅春先生の文章です。

 雅春先生は「動物を殺して食べてながら、人類だけが平和を実現しようと思っても不可能だ」と主張されていました。

 当時の多くの人は、雅春先生の主張を「宗教家の理想論」と思われたでしょう。

「動物を殺す心が人間をも殺す、そのようなことは宗教の教義としては成り立つかもしれないが、科学的には証明なんかできない。世界平和を実現するのは政治家の仕事であって、肉食なんかは関係ない。政府が肉食を推奨していて一体、何が悪いのか。」

 これが、多くの人の感想だったと思います。

 しかし、今の時代においては家畜産業が食糧危機や気候変動の主要な原因の一つであることが判っています。

 家畜は人間以上に植物を食べるので、家畜が増えると家畜の飼料を確保するために人間の分の穀物が減ったり、農地拡大のために森林を伐採したりするようになります。さらに牛を始めとする反芻動物からはメタンガスが排出されますが、このメタンガスは二酸化炭素の25倍の温室効果があります。

 こうした話を聴くと、スピリチュアルな視点から「肉食をしていると平和は実現しない」と言っていた雅春先生の預言はまさに的中していた、と思います。食糧危機も気候変動も、国際平和を阻害する要因だからです。


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 今年の夏はとても暑いですね。平均気温はあまり上昇していないのに最高気温は常に上昇しています。

 気候が変になっているのです。今年の台風12号では台風が「西進」するという異常事態も起こりました。

 ですが、私は何も皆様に暗くなってもらうためにこの文章を書いたのではありません。

 今の日本では徐々にベジタリアンヴィーガンに対応した店が増えてきています。また自然の生存権や動物の権利を憲法に明記しよう、という活動をされている方も登場しました。

 私が菜食に目覚めたころはヴィーガニズムを実践するのはなかなか難しい道でした。今でも易しい道とは言えませんが、ほんの1,2年の間に少しずつヴィーガンになりやすい環境は整ってきました。

 この道を歩む人が増えると、さらにヴィーガンになりやすい環境は整うでしょう。

 今の世界は食糧危機や気候変動に注目すると希望が無いようにも思えますが、実際には食糧危機や気候変動を緩和する道も既に用意されているのです。このことに大きな希望を感じるのは私だけでしょうか?

 昔だと、農業技術も発達していない時代では止むを得ず動物を殺して食べる必要がありました。

 また、今でも菜食の料理店があまりない環境ではヴィーガニズムの実践は難しいでしょう。

 それが、少しずつヴィーガニズムを実践しやすい環境が整っている、そのことに私は神様の慈悲を感じます。

 広島・長崎に原爆が落とされた直後、アルベルト・アインシュタイン博士は核廃絶の運動を始めました。

 そして非核の運動は世界に広がり、核戦争一歩手前まで行きながらもついに今まで核戦争は起きていません。

 気候変動や食糧危機が始まっている今、ヴィーガニズム運動が広がりを見せているのも同じようなことを感じます。今は小さい動きかも知れませんが、やがては人類を滅亡から救う大きな働きとなることでしょう。


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