愛国教育とは
「愛国教育」というとネガティブなイメージを持たれる方も、ポジティブなイメージを持たれる方もいると思います。
私はポジティブなイメージを持っている人間ですが、ただ、最近のインターネット上のいわゆるネトウヨによる「日本は素晴らしい」と言う記事には違和感があります。
ネットだけでなく保守論壇の少なくない方が「子供にもっと日本のすばらしさを教えなければ」と言っています。
これには、私は懐疑的です。
「日本は悪い国である」
と言う風に子供たちを洗脳している節はあります。
というより、私自身がそのような教育を受けてきました。
大東亜戦争ではなく太平洋戦争であってこれは日本の侵略戦争である(それ自体は間違っているとまでは言えないが)、原爆投下の責任も日本にある、満州事変(満洲事変)も日中戦争(支那事変)も日本の侵略戦争である、それどころか日清戦争や日露戦争も日本が悪いのである、と言う風に教えられたのです。
そして「律令国家において民衆は天皇の支配に苦しんだ」「『大日本帝国憲法』は天皇主権の憲法であった」等と言う虚偽の歴史を教えていくような、反日教育も受けてきました。
ただ、その反動で「日本は素晴らしい」と教えさえすれば愛国心が育つのか、というと私はそうは思いません。
私は愛国心とはあくまで家族愛の延長線上にあるものであると考えます。
この場合の国とは、英語でいうと「nation」であって「state」ではないのです。
私たちが家族を愛するのは家族が素晴らしい人間だからでしょうか?
それは違うでしょう。仮に家族が犯罪者であっても、バカであっても、無能であっても、あるいは少々喧嘩するようなことがあったとしても、愛するべき存在が家族のはずです。
そして、日教組の教育は幼い子供に家族の悪口を(それもデマを)吹き込むようなものなので是正すべきですが、それ以上でもそれ以下でもありません。
本当に日本人が優れた民族であれば、大東亜戦争で敗戦し戦後七十年以上も売国奴に支配されるような、無残な真似はしなかったはずです。
というよりも、売国奴に支配される時点で日本人が如何に劣った民族であるかが示されています。
「いや、日本はGHQに占領されたから・・・・」
と言い訳にする人がいますが、それは言い訳にならない言い訳です。
僅か6年間の占領期間で愛国心を失うような民族に、本当の意味での愛国心があったとは言えません。
中国は満洲民族の清に数百年も支配され、その間髪形から何まで満洲式のものを強要されていました。
しかし、中国人は一度辛亥革命で大清帝国を打倒すると誰も辮髪をしなくなりました。
別に占領軍に強制されたわけでもないのにアメリカ式の食生活をしだした日本人とは大きな違いです。(給食等の強制はありましたが、それとて清の時代の中国みたいに「辮髪をしなければ死刑にする」と言われたわけでもありません。)
そんなどうしようもない愛国心のない日本人のことをやたら「素晴らしい」と称えていては、健全な教育は出来ないでしょう。
私は子供は、特に初等教育においては「褒めて育てる」教育をすべきだと考えています。
ですから、小学校においてことさらに日本の悪い点を教えることはないでしょう。
しかし、「褒めて育てる」ことと「悪い点を無視する」ことは違います。
例えば南京事件や731部隊のことを教科書に書くのはけしからん、という人がいます。
ですが、南京事件や731部隊のことを教えると愛国心はなくなるのか、と言うと私はそうは思いません。
南京事件と言っても実態は組織的な大虐殺などなかったことは明らかになっていますが、戦場での行き過ぎは当然あるでしょう。
戦争とはそういうものである、と言う風に教えなければ「愛国のためには好んで戦争をすべきである」等と言う歪んだ価値観の人間が生まれかねません。
731部隊については医療利権複合体の問題とも関係しますが、諸外国にはもっと陰湿な人体実験を行った例があるとはいえ、医療の発展の背景にはそういう人体実験があったという事実から目を背けさせてはいけないと思います。
現に、今でも「医療の進歩のため」として数多くの動物実験が行われています。
そして、それに目を背けている人は反日左翼の人にも多くいます。
一方、愛国者で日本国内の動物虐待に反対しておられる人もいます。
つまり、愛国心と日本の問題点を知ることとは、全く関係ないのです。
というよりも、きちんと愛国心が育っていれば日本の問題点を知るとその解決のために知恵を絞るはずです。
バカな家族が借金を背負ってしまうと、家族愛に満ちた人間はその家族を助けるために知恵を絞るでしょう。それと一緒です。
日本の問題点を知って反日になるような人間は、最初から愛国心が足りないのです。
家族愛が地域愛、国家愛、人類愛、さらには地球愛、宇宙愛へと発展するような教育が必要なのであり、それは「日本は素晴らしい」ということでは根付きません。
それではなく、子供のうちに眠っている愛情をそれこそ「褒めて伸ばす」ようにすることが必要でしょう。