すべての「いのち」のために

日本SRGM連盟代表・日本アニマルライツ連盟理事・日本優生思想研究所研究員の日野智貴のブログです。いのちに線引きする「優生思想」に断固反対!(記事内容は所属団体の公式見解とは無関係の個人的見解です)

中共によるおぞましい「ウイグル人民族浄化」の闇――日本は東トルキスタンを国家承認せよ!

 

 現在、東トルキスタン共和国(いわゆる中華人民共和国ウイグル自治区、本当は中国の一部ではない)で少なくとも百万人のウイグル人が強制収容されているという。

 日本ウイグル連盟のトゥール・ムハメット代表によると、中共ウイグル人の数を2000万人と発表しているが、本当は3000万人近く存在するはずであり、1000万人近くが強制収容されている可能性もあるという。

 中共の怖いところは、彼らは「数百万人の収容疑惑」については否定するものの、強制収容所の存在自体は「テロ抑制に有効」として認めている、ということである。

 つまり、彼らは「ウイグル人強制収容自体は悪いことでは、ない」と認識していることになる。おぞましい思想の持ち主である。

新疆高官が「訓練施設」を擁護、ウイグル人拘束疑惑で 中国 

2018年10月17日 BBC

中国政府が西部の新疆ウイグル自治区イスラム教を信仰するウイグル人の収容センターを運営している問題をめぐり、同地区の高官が説明に応じた。

自治区のショホラト・ザキル主席は国営新華社通信のインタビューで、この「職業訓練施設」がテロの抑制に効果的なことが証明されたと話した。

また、「訓練生」たちは生き方を改め、生活をより「彩り豊か」にできる機会を喜んでいると述べた。

中国政府が新疆で行っている大規模なウイグル人弾圧に、世界各地が強い懸念を示している。

人権擁護団体は、ウイグル人がDNAサンプルの提出を拒否したり、少数言語を話したり、公務員といさかいを起こすなどの違反行為を理由に、訴追なしで無期限に拘束されていると主張する。

政府はウイグル人などの少数民族100万人を拘束しているという疑惑を否定しており、テロ抑制のために必要な活動だと主張している。

ショホラト・ザキル主席は、この問題について発言した自治区高官の中では最高位に当たる。

新華社通信のインタビューからは、新疆での活動を慈善行為に見せることで批判に対処しようとする中国政府の意図がうかがえた。

ザキル氏は、新疆は1990年代からテロと過激主義、分離主義という「3つの悪」に直面してきたと説明。政府は「諸悪の根源」に対処するために行動を起こしたと述べた。

9日に法制化されたばかりの「職業教育と訓練プログラム」は、「訓練生」に「過ちを認めさせ、テロと宗教過激派の特徴および有害性を明確に見せるもの」だという。

ザキル氏は収容センター内の様子についても、現時点で最も詳細に説明した。中国史や中国語、中国文化の授業があり、受講者は「国家や市民権、法の統治についての知識」を教えられる。

受講は強制的なのかについては言及しなかったものの、受講者がセンターに寝泊りしていることを示唆した。食堂では「栄養豊富な食事が無料で」提供され、宿泊施設は「設備が整って」おり、定期的に競技会やスポーツイベントが行われているという。

しかし、人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの中国代表、ソフィー・リチャードソン氏は、ザキル氏のインタビューには「集団強制収容、信教の自由に対する広範な抑制、抑圧」といった懸念への回答がないと指摘した。

リチャードソン氏は、中国政府は「プロパガンダにしがみつくのではなく、全ての被収容者を解放し、全ての収容キャンプを閉鎖することでしか信頼を得られない」と述べている。

 そもそも、本来独立国である東トルキスタンを一方的に占領しておきながら、東トルキスタンの独立回復を求めるウイグル人を「分裂主義者」としてテロリストと同等に扱い、強制収容していることを隠そうともしない中共の感覚は完全にマヒしている。

 確認しておくが、中共ウイグル人の「分裂主義者」(独立運動家)を「テロリスト」と同列に扱い、収容していることは中共の高官自身が堂々と中国メディア相手に言っていることなのである。

 つまり、彼らは東トルキスタンで行われていることが「悪いこと」という認識は皆無なのである。このとんでもない思想が「習近平中国特色社会主義思想」の正体である。

 また、現在中共は「宗教の中国化」と訴えているが、これも全人代等で堂々と語られていることである。そのため、ウイグル族の公務員がイスラム教の風習である断食やハラルフードを食べることは禁止されており、ムスリムに強制的に豚肉を食べさせているという情報もある。

(※ムスリムが豚肉を食べないことは有名であるが、イスラム教では動物性食品を食べること自体に否定的である。イスラム教では動物性不使用の料理か、イスラムにおいてもっとも動物を苦しめないとされる頃仕方で殺された動物しか食べてはいけないことになっており、その基準を満たした料理を「ハラルフード」という。)

 私もヴィーガニズム実践者であるから、倫理的理由でハラルフードを食べている中共の宗教弾圧には激しい憤りを感じる。

 言うまでもないことであるが、中共によるウイグル人弾圧の実態はもっと酷いものである。

 トゥール・ムハメット氏が「虎ノ門ニュース」で中共によるウイグル族弾圧の実態を語ると、YouTubeにおける「虎ノ門ニュース」のアカウントが削除され、動画も見れなくなってしまった。

 Google中共に媚を売っていることは有名である。今回の動画削除もトゥール・ムハメット氏が東トルキスタンの実態を語ったことが理由であることは、想像に難くない。

 それだけ都合の悪い真実があるのである。

 現在、東トルキスタンでは人民解放軍の兵士が女性を襲ったり、ウイグル人を捕まえて臓器狩りを行ったり、と行ったことが日常的に行われているという。

 臓器狩りというと法輪功という宗教団体の信徒に対して行われていることが連想されるが、東トルキスタンムスリムや全能神というキリスト教系宗教の信者も対象になっているのである。

 トゥール・ムハメット氏らは日本人が臓器提供を受ける目的で中国に渡航することを禁止するよう日本政府に求めているが、日本政府は応じていない。

 私は何度も言っているが「需要があるから供給がある」のである。日本人も中国の臓器狩りの消費者になることはあってはならない。

 また、東トルキスタンには人口の8割が消えた町もあるといい、中共による民族浄化の怖ろしさが判る。

 失明するまで強制労働させられている例もあるという。

 ウイグル人ムスリムであるが、日本にとってムスリムは偉大で信頼できる戦友である。

 日本とイスラム世界の関係は古代に遡る。我が国には奈良時代からイラン人との交流があった。古代イスラムの文献には我が国が「ワークワーク」という名前で登場している。

 明治23年(西暦1890年、皇暦2550年)のエルトゥールル号遭難事件では、オスマントルコ帝国の遭難者を我が国が官民を挙げて救出した。

 明治天皇陛下直々に救援を政府に命じたのみならず、この事件を契機に民間で義捐金を集め自らオスマン帝国の首都・イスタンブールに渡った山田寅次郎という人もいる。

 また、日露戦争で日本がロシアを破ったことはトルコのみならず、ロシア帝国の侵略に苦しむ多くのムスリムにとっても希望となった。

 大東亜戦争においては日本が欧米列強や中国国民党中国共産党と共に戦うのをインドネシアやマレーシアを始めとする多くの国のムスリムが支援した。

 イラン・イラク戦争でトルコ政府が在イランの日本人を救出してくださったことはあまりにも有名である。

 日本とムスリムは共に戦い、場合によっては助け合う関係だったのである。

 戦後の日本はアメリカによるイラク戦争を支持するなど、9.11テロ以来のアメリカの反イスラム政策に追従してきた恥ずべき歴史もある。

 しかし、そのアメリカのグローバリストもトランプ政権樹立以降、大幅に勢力が弱まっており、今ではアメリカ政府も中共による民族浄化を非難するようになっている。

 また、トルコ政府も亡命ウイグル人を助けようと尽力している。

 日本の友邦も変わりつつあるのに、どうして「八紘為宇」(世界家族国家共同体)の素晴らしい理念を持つ日本が東トルキスタンに無関心でいる事が許されようか?

 東トルキスタンの問題に関心を持つことは日本の国益にもなる。

 中共は軍隊をシリアにも派遣し、アサド政権の民主勢力やイスラム勢力への弾圧に協力している。彼らは東トルキスタンのみならず、世界中で侵略行為を行うつもりである。

 チベット満洲南モンゴル中共に侵略されており、弾圧されているのはムスリムだけではない。仏教も弾圧されている。

 日本人はイスラム教が仏教に冷たいという誤解を持っているのもいるが、イスラム社会においてタリバン政権のような仏教敵視をしている者はごく少数である。

 ムスリムの中にはお釈迦様を預言者の一人として認められる方も存在する。有名なところではタリバンに襲撃されたマララ・ユスフザイさんもそういう立場であるし、イスラム教学者でもそういう立場の方は存在する。

 そこまでいかなくとも歴史的に東トルキスタンムスリム仏教徒と共存していたことは事実であるし、現にウイグル人と同族であるトルコも日本と友好な関係を保っている。

 一方、中共は現に仏教徒を弾圧しているのである。日本人は東トルキスタンの現状をウイグル人ムスリムだけの問題と捉えてはならないのだ。

 私が新政未来の党を結党した理由の一つが、今の日本の既存の右派勢力におけるイスラムへの無理解と、既成政党が東トルキスタンの国家承認を主張しないことである。

 日本は東トルキスタンを国家承認し、ウイグル人を始めとする世界中のムスリムと共に中共の侵略に対抗し、大東亜戦争で共に戦ったムスリムたちへの義理を果たすべきである。