すべての「いのち」のために

日本SRGM連盟代表・日本アニマルライツ連盟理事・日本優生思想研究所研究員の日野智貴のブログです。いのちに線引きする「優生思想」に断固反対!(記事内容は所属団体の公式見解とは無関係の個人的見解です)

靖国神社と精霊招魂神社


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 かつて中曾根康弘首相が靖国神社に参拝した際、当時の宮司は彼の参拝から宗教色が皆無であり、パフォーマンス色が強いと判断して「弓削道鏡にも等しい」と非難した。

 安倍首相が12月26日という「第二次安倍内閣成立記念日」に参拝すると無条件に称賛される今の日本を見ると、やはり「日本は左傾化したな」と思う。

 ところで8月15日になると靖国神社に色々な政治家が参拝する、しない、と言ってああだこうだ議論するのはもはや「恒例行事」となっている。

 靖国神社参拝をパフォーマンスとして利用する政治家には当然違和感があるが、そもそも根本的に「8月15日参拝」がどうして議論になるのかもわからない。

 私が右派系の方々の集まりで「8月15日の靖国参拝には違和感がある」というと「いや、8月15日も靖国にとって大事な日で・・・。」等と説明されたが、8月15日はあくまで大東亜戦争に関する日である。そして靖国神社大東亜戦争と直接的な関係はない。

 私にとって大東亜戦争戦没者を祭祀している神社は宝蔵神社境内社である「精霊招魂神社」という神社である。そこでは毎年8月19日に大祭を行っている。

 一方、靖国神社の大祭は春と秋である。8月15日ではない。大東亜戦争戦没者に関する「みたままつり」も8月15日ではない。

 今のネット右翼を見ていると、もしも私が政治家に当選して8月に靖国神社ではなく精霊招魂神社に参拝していると「やっぱり日野は日本協議会の連中の言う通り左翼だ!」と言いかねないが、それは信仰の違いというべきものだろう。

 8月15日に靖国神社に参拝したら愛国者である、という宗教を信仰されるのも良いが英霊に対する捧慰顕彰には様々な方法があるのである。


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 私が宝蔵神社の研修生だった頃は、ほぼ毎朝精霊招魂神社で『観世音菩薩讃歌』を奉読し、「天皇国・日本」の実相顕現と「神・自然・人間の大調和した文明の建設」を祈らせていただいた。

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 参考までに精霊招魂神社における祈願文を掲載させていただく。

 

 爰(ここ)精霊招魂神社に鎮り座す愛国尽忠の英霊(みたま)様に感謝の真心奉げ祝福讃嘆し奉り、只今より経本『観世音菩薩讃歌』(註1)を読誦し真理の光をささげ奉(まつ)らんとす。

 庶(こい)(ねがわ)くはこの経本(註1)の真理を傾聴し給い、人間神の子(註2)の真理を体得され、大神の御護りと導きとをうけ給い、天かけり、国かけり祖国の守りとなり給うと共に、神・自然・人間の大調和せる世界平和の実現に貢献されますよう、つつしみてお願い申し上げます。

1.私は普段経本『観世音菩薩讃歌』を読誦しているが、例えば聖経『甘露の法雨』や経本『万物調和六章経』等でも問題ない。大祭では聖経『天使の言葉』が読誦されることもある。

2.「神の子・人間」と言い換えても同じ意味であることは言うまでもない。

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 と、ここまで書いたら精霊招魂神社の建立の経緯も紹介した方が良いと思う。

 この神社は光明思想家で宝蔵神社再興の祖である谷口雅春先生の御意向によって建立された。

 

 大東亜戦争において戦病死された軍人軍属の中には、未だ生死のほども分らず、戦場の風雨に遺骨がさらされたまま、もしくは太平洋の藻屑となって海中ふかく放置されたままになっておられる英霊のあることを嘆かれた谷口雅春先生は、昭和三十七年の秋、これら精霊を招魂し聖経読誦の供養を行う神社を建立したいとの御意向を示された。(略)

 いよいよ造営の運びとなり、昭和三十八年四月十三日に地鎮祭、ついで同年七月十三日に上棟式が行われた。

 さらに同年十月二十一日午前九時より、谷口雅春先生、輝子奥様の世界御巡錫御帰朝を記念して開催された宝蔵神社秋季大祭・詳密講習会の参加者約五千名が参列して盛大な落慶式がとり行われたのである。(『聖霊天降る宇治』より)

 

 この精霊招魂神社は大東亜戦争戦没者を祭神とする神社である。靖国神社とは違って「大東亜戦争専門」の神社である、と言えるかもしれない。

20180626

 これはどちらが良いという問題ではない。靖国神社靖国神社で素晴らしいのであるが、精霊招魂神社にも大東亜戦争における英霊の祭祀を行う特別の役割があるのである。


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 だが、この神社は別に大東亜戦争美化を目的に建立された神社ではない。もっと大きな目的がある。

 谷口雅春先生の孫で国際平和信仰運動指導者の谷口雅宣先生の祝詞を読めばそのことがお判りいただけると思う。(一部略)

 

 「精霊招魂神社大祭祝詞

 

      谷口 雅宣 先生

清き流れの宇治川の中州に近き宝蔵の神域のすがすがしき緑に包まれし 精霊招魂神社に鎮まり給える忠義の御魂達の御前に 谷口雅宣恐み恐みも白す

過ぐる大東亜戦争に国を護る楯となり 国を支うる柱となり 忠誠義烈 尚霊界に逝き給いて後も 国を護る精神をすて給う事無く 誠に靖国の天使とも称うべき諸霊を招ぎ奉りてより 早や○○年(註・昭和三十八年より起草)を経ぬれば 大祭を仕え奉り 聖経『天使の言葉』を読誦し 真理の光を献げ奉り

 供養し奉らむとす 今や人類進化の一周期の終りに臨み 全ての人類は その皮膚の色彩の相違 言語・文化の違いによる事なく 人間神の子として平等の尊厳を恢復し 各々民族は独立し 万民平等の自由が確保せらるべき時期到来せしなり 

汝たち日本国民は この理想実現の為 尊き犠牲となりて 有色民族に「神の子」の実相を自覚せしめ その独立精神を喚起せしめる天使たるの役割を演ずる必要ありしなり 今後 世界は霊界人界ともに一致協力し 民族の独立を求むる余りに 他国や他民族との不和衝突を引き起すことなく 全人類神の子なりとの自覚のもと 万教帰一 自然流通の大調和の世界実現のために一大運動を起さんとす

 庶幾くは茲に吾らが読誦する『天使の言葉』の真理を傾聴し給い 人間神の子 一切の罪も業も病も死もなき真理を充分に体得し給い 更に大神の御護りと導きとを受け給い 霊智神通を愈々増し給い 天馳り国馳り祖国の守りとなり給うと共に 大神の大調和の世界実現に貢献し給わむ事を謹みて茲に請い願うものなり 頓首合掌  (平成三年八月十九日の大祭より)     

 簡単に言うと大東亜戦争は白人による人種差別や植民地支配を打破し、「神の子・人間」の実相を顕現させるという意義もあった。(無論、そうでない側面も残念ながらあった。)

 我々はその「神の子・人間」の真理を弘めることにより「その皮膚の色彩の相違 言語・文化の違いによる事なく 人間神の子として平等の尊厳」をもつ社会を実現し、さらには「万教帰一 自然流通の大調和の世界実現のために一大運動を起」そうとしているのであり、精霊招魂神社はそのための神社なのである。


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