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日本SRGM連盟代表・日本アニマルライツ連盟理事・日本優生思想研究所研究員の日野智貴のブログです。いのちに線引きする「優生思想」に断固反対!(記事内容は所属団体の公式見解とは無関係の個人的見解です)

「天皇謝罪要求」に撤回求めず!朝敵・安倍政権の正体が「慰安婦」問題でも露呈

 韓国国会の文喜相議長がいわゆる慰安婦問題において「天皇が手を取って慰安婦に謝罪すればよい」という旨の発言をした問題で、安倍政権は表向き韓国に抗議し撤回要求したと主張しているが、どうも実際には抗議も何もしていないようである。

 こう言う問題では『朝日新聞』と『産経新聞』が正反対のことを言うのがお約束だが、今回はどちらも同じことを報道している。念のため、双方のサイトの記事を引用する。

 まずは、『朝日新聞』の記事。

「日本から謝罪要求ない」天皇陛下巡る発言で韓国外交省

ソウル=牧野愛博 2019年2月16日11時23分

 ドイツのミュンヘンで15日に開かれた日韓外相会談を巡って韓国外交省は16日、慰安婦問題に絡んで天皇陛下に謝罪を求めた文喜相(ムンヒサン)国会議長の発言について、日本側から謝罪や撤回を求める発言はなかったとするコメントを発表した。日本の外務省関係者の説明では、河野太郎外相は韓国の康京和(カンギョンファ)外相に対し、謝罪や撤回を求める立場を改めて伝えたとしている。

 韓国政府は、この問題で謝罪や撤回に応じる考えはないとする文氏の立場を支持している。外交省のコメントには、抗議を受けた事実を認めない姿勢を強調する意図がありそうだ。

 韓国の李洛淵(イナギョン)首相も14日、日韓議員連盟会長を務める額賀福志郎財務相との会談で、文氏発言への抗議を受けたと伝えられたことを念頭に「本人が語っていない話を伝えた」と語っていた。(ソウル=牧野愛博)

 次は『産経新聞』。ちなみに、安倍政権が誕生するまでは日本で一番信用できるマスコミは『産経新聞』だったが、今ではそれが『朝日新聞』になっている。

 これは、決して『朝日新聞』が信用できるようになった、という意味ではなく、『産経新聞』が元々信憑性の低い『朝日新聞』をさらに下回る信憑度の、イエローペーパーになってしまった、ということであるが、iRONNAに私の記事を掲載するあたり、まだ『産経新聞』にも良心はあるようだ。

 それはともかく、『産経新聞』の記事を紹介する。

文喜相議長発言に「日本側の言及なかった」 韓国外務省当局者が日本の抗議否定

2019.2.16 17:47国際朝鮮半島

 【ソウル=名村隆寛】慰安婦問題が天皇陛下の謝罪で解決するとした韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長の発言について河野太郎外相が15日のドイツ・ミュンヘンでの日韓外相会談で抗議したと日本で報じられたことについて、韓国外務省当局者は16日「事実とは違う」と明らかにした。

 当局者は「今回の外相会談でこの件(文氏の発言)に関する日本側の言及はなかった」とコメントした。日本の外務省は、河野氏が文氏の発言について「日本の立場を改めて伝達した」とウェブサイトで説明している。

 取り敢えず言えることは、安倍政権は実際には韓国に撤回要求など行っていないか、それとも韓国政府が無死でいる程度の形での講義しかしていないか、そのいずれかである、ということだ。

 天皇陛下にいわゆる慰安婦問題での責任が無いことは明白であるが、何よりも他国の国家元首を侮辱するような人間が国会の議長をしているのは、問題である。

 とは言え、日本でも麻生太郎副総理がオバマ大統領来日中に「オバマに議会をまとめる力はない」と放言するなど、相当失礼なことをしているわけではあるが。

 ただ、天皇陛下を侮辱されても抗議すらしない、という辺りに安倍政権の問題があるように感じる。

 徴用工問題ではあれほど強硬だった安倍政権だが、どうも「韓国が財閥を攻撃すると全力で守るが、天皇陛下を攻撃してもスルー」ということらしい。

 実際、安倍政権は明治維新150周年記念式典に天皇陛下を招聘しないなど、安倍政権による「天皇軽視」の姿勢は日に日に露骨になっている。

 念のために言っておくと、明治維新150周年記念式典は天皇陛下が体調不良等で出席されなかったのではなく、そもそも政府からお声がけが無かったのであると、宮内庁の西村次長が明言している。

政府が明治維新150年を祝う式典 天皇陛下は出席せず

二階堂友紀 2018年10月23日13時30分

 明治維新150年を祝う政府の記念式典が23日、東京・永田町の憲政記念館で開かれた。10月23日は元号が慶応から明治に改められた日にあたり、与野党の国会議員や各界の代表者ら約350人が出席した。

 安倍晋三首相は式辞で「明治の人々が勇気と英断、たゆまぬ努力、奮闘によって、世界に向けて大きく胸を開き、新しい時代の扉を開けた」と強調。そのうえで「若い世代の方々にはこの機会に、我が国の近代化に向けて生じた出来事に触れ、光と影、様々な側面を貴重な経験として学びとって欲しい」と述べた。

 佐藤栄作内閣のもとで開かれた明治100年式典の際は、昭和天皇香淳皇后が出席したが、今回天皇、皇后両陛下は出席しなかった。宮内庁は「政府からお声がけがなかった」(西村泰彦次長)としている。共産党は「明治150年の前半は侵略戦争と植民地支配に向かった負の歴史。丸ごと祝い、肯定するような行事には参加できない」(小池晃書記局長)として欠席した。(二階堂友紀)

 そういう安倍政権による陛下軽視、皇室軽視については、マスコミは事実関係をさりげなく報道はするものの、『朝日新聞』から『産経新聞』まで然程問題視しないのが現状だ。

 元から尊皇心の乏しい左派はともかく、自称右派の『産経新聞』が安倍政権支持の論陣を張っているあたりに、今の日本の問題がある。

 安倍政権をマスコミは「右翼だ、右翼だ」と言い、左派は「右翼だからダメだ」、右派は「右翼だから素晴らしい」と言っているわけだが、天皇陛下を軽視する朝敵のどこが右翼なのか。

 さらには、皇后陛下が「生前退位」の言葉に痛みを覚えた、とわざわざ発言されたにもかかわらず「譲位」の表現を用いず、法律には「退位」の表現を使用した上に、今上天皇陛下の退位の日と皇太子殿下の即位の日とを別けて、「譲位」のための儀式である「譲国の儀」も行わせない、という暴挙にも及んでいる。

 安倍政権こそが、朝敵左翼政権なのである。

 そもそも、いわゆる慰安婦問題は自民党が作り上げた問題である。

 平成5年(西暦1993年、皇暦2653年)7月14日、自民党は総選挙で過半数割れした。ちなみに、当時の総理大臣で自民党総裁宮澤喜一氏は左翼の人間である。

 そして、政界が非自民・非共産連立政権に向かう中、8月4日に宮澤内閣の官房長官であった河野洋平氏が発表したのが、『河野談話』なのだ。

 この『河野談話』の内容はいわゆる従軍慰安婦の連行に日本の官憲が関与したケースがあった、と解釈できる内容のものであった。

 こんな国辱の談話を発表した河野洋平氏だが、彼はその後も自民党総裁になるなど、自民党は全く『河野談話』を見直す動きを見せなかった。ちなみに、河野洋平氏の派閥を継承したのが、今の麻生副総理である。

 平成24年(西暦2012年、皇暦2672年)には国民の生活が第一(現・自由党)の外山斎先生(当時)が河野洋平氏の参考人招致と『河野談話』の撤回を要求したが、自民党はこれにも反対している。

 安倍政権になってからも『河野談話』の踏襲を彼は明言している。

 そして、平成27年(西暦2015年、皇暦2675年)になると安倍政権は韓国政府との間に『日韓慰安婦合意』なるものを行うこととなった。

 これは、慰安婦問題において安倍首相が「政府の責任を痛感している」としている、『河野談話』以上に謝罪色が強いものであり、且つ、日本政府にいわゆる慰安婦問題の責任があることを初めて公式に認めるものとなった。

 このように、安倍首相や自民党はこれまで慰安婦問題においては一貫して、売国政策を連発してきた。

 彼らはそれについて、当然良心の呵責はあるから、たまには愛国的な発言もする。しかし、それを実行することはない。

 『河野談話』の制定過程に問題があることは述べても、『河野談話』を破棄することはしないのだ。

 政治家というのは、票を取るためにはパフォーマンスを行う。言い換えると、票にならないことをしていれば、それは本音である、ということである。

 慰安婦問題で政府の責任を認めて、さらには自称元慰安婦に10億円もの大金を支払うという国辱の『日韓慰安婦合意』で安倍政権の票が増えることはない。逆に、これまで安倍政権を支持していた愛国者の怒りを買う内容である。

 ということは、安倍政権には多少票が減ったり、愛国者の怒りを買ったりしてでも、『日韓慰安婦合意』を成立させたかったわけだ。これは、パフォーマンスではなく安倍政権の本心である。

 その結果、天皇陛下に迷惑がかかっても何もしない。民主党政権ですら、李明博大統領が「天皇の謝罪」を求めた時には「『日韓スワップ協定』の見直し」を言っていたのに、民主党政権以下の尊皇心なのが安倍政権なのである。

 私は、いつまでも安倍自民党に日本の政権を任せるよりも、例えば国民民主党に政権を委ねた方がまだマシであると、かなり本気で思っている。何しろ、今の安倍政権はどうしようもない朝敵左翼政権であるからだ。